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今週の製作日誌

先週20日にスタートした三本はサイドバックまで完成。次は表板の製作に入っていきます。真ん中、テナーは久しぶりのメイプルサイドバック。裏板にヨーロピアンメイプル(シカモア)、サイドにカナディアンメイプル。どちらもバリ虎の派手材。バインディングにはサイドで使ったものと同じ木から作ったバインディング材を使います。表板はギター用の最高級ジャーマンスプルース。なんとも贅沢なテナーになりそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

机の上の小さな世界の銘木展

 

ヨーロピアンメイプル(シカモア)

ワイルドハワイアンマンゴー

インディアンローズウッド

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは表板。左からジャーマンスプルース、ウエスタンレッドシダー、屋久杉です。どれもとても最高級のトーンウッド。三者三様です。屋久杉はクリスのソプラノ用。クリスにはぜひ、日本の古代杉を遠くイギリスの地で使って欲しいと思ってます。もちろん彼とちゃんとメールで打ち合わせた上で使ってますよ。ワイルドマンゴー、屋久杉の島育ちの木で作るソプラノ。きっといい味出してくるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お手製のゴーバーで割れ止め接着。ゴーバーは欧米ではジュラコン製が主流ですが元は古来中国の竹製のものが由来なので竹製にしています。とはいえ実はこれAmazonで売ってる簾をバラしただけのものなんです。長さもちょうど良かった。先端だけサンディングして丸めてあります。確か500円もしなかったかな…。ゴーバーデッキはこの竹の長さに合わせた自作です。ゴーバーは一度使うとその便利さが手放せなくなります。くるくるとCクランプを一個一個回して固定する必要がない。竹をぐいっと曲げて差し込むだけ。これは便利です。昔の人は頭いいな…と感心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリス二本目のソプラノバック。ブレイスを削りこんでいるところです。昨年作った一本目は元々ローG用に頼まれて作ったもので今回はハイG専用ソプラノのオーダー。一本目のローG用は海外遠征でソプラノとしても使い回していたのでローハイ兼用になっていました。二本目がうまいこと機能してくれることを願いつつ精魂込めて削りました。

 

 

これで友紀さんも二本、そしてクリスも二本。

 

国内外のウクレレの名手二人に使ってもらえるウクレレを二本も作る機会をいただけることに感謝しかないです。世界で活躍するプロからのオーダー、製作家冥利に尽きます。元々自分は人との巡り合わせに関しては運がいいと自覚していますがいよいよほんとにいい人生になってきたもんだと…この頃よく感じる。毎年通ってる出雲大社の縁結びの神様のおかげだろうか 笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロゼッタに新柄のロープ模様を嵌め込む

 

 

いつだか読んだ本にも書いてあったんですが、どんなことでも夢中になって取り組んでいればきっと誰かが必ず見ていてくれる。五里霧中、よくない意味の四字熟語として使われるけど周りの余計なことが見えないくらい夢中になってる五里霧中はほんとに楽しい。五里、20Kmも山の中でガスった中を歩くのはマジで嫌だけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箱になります

 

自分は量産型ではないけどそれでいいと思ってます。一本一本、オーダーしてくださった人の思い描く面白みを実体化していくことが楽しい。頼み手と作り手が一緒になって面白がって一本作る。これはほんとに楽しい。依頼主が何をイメージしているのかを共有して形にする作業。ただ二本目というのは地力が試されてる気がするので一本目よりも緊張感はあります。一本目が良かったんでこれならもう一本欲しいと言ってくれて二本目をオーダーしてくれる人はこれまでもたくさんいたけどもやはり毎度試されてる思いで作ってます。期待を裏切れないなって。

 

 

 

 

 

 

 

自作スプールクランプで固定

 

海外に送る前提となると気候が違うので国内向けに作るよりは多少、各板を厚めに設定してるのでボディの剛性をあげて少し硬めに仕上げてます。それでも柔らかく鳴って欲しいわけだから尚のこと難しい。この課題をどうクリアしていくかが逆に面白いとも感じるわけで。障壁が現れるたびに一個ずつ小技が増えていく感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、工房直販サイトA.W.Sで販売中のワイルドマンゴーソプラノが9/2までの一週間だけ期間限定で夏のラストチャンス1万円引きキャンペーン中です。この機会にぜひチェックしてみて下さい。9/3からはまた元の価格に戻ります。シンプルで飽きのこない人気のノンロゼッタモデルNS、パーフリングだけはしっかりアバロン貝で飾った硬派な一本です。ブリッジにはうちの工房では珍しい虎杢コアを使ってます。直販では毎年2、3本ほど「こんなの作ってみました」というウクレレを掲載しています。オーダー製作の合間に少しずつ進めて作るので通常の倍以上の期間をかけてのんびり楽しく仕上げてます。きっとこれも気に入っていただけるウクレレになると思います。

 

 

 

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追記

 

※来週は四日間の南アルプス北岳ハイクのためブログ更新はお休みとなります。

 

 

山旅は必ず何かしら素敵な一期一会があって決して一人で歩いても一人じゃないのが最高に楽しみなんです。同じトレイルを苦労して登ってきた人同士、テント場で酒を呑んだり。道中で道に迷ってる人を助けたり。去年は燕岳の下山中に脱水症状を起こして動けないでいるご婦人の荷物を担いで稜線の山荘まで登り返したことも良き思い出です。帰ったらブログで写真アップしますね。お楽しみに。