
雨がシトシトと降る夜の仕上げ作業
これまで20年ちょっとの楽器製作人生の中で今年はオーダーが最も多い年となってます。北は北海道から関東、関西、さらにイギリス、フランス、アメリカからもオーダーを頂いてます。本当に感謝しかないです。でも、いくら注文が増えようとも年間に製作可能な本数の限度は変わりません。相変わらず、製作ペースは月三本しかない激遅工房で申し訳ありませんがどうかのんびりとお待ち頂ければ幸いです。一日の最初の仕事はまずメールの返信からです。オーダーの打ち合わせを数件まとめて朝に返信しているので一日一度のやり取りになってます。打ち合わせも日を重ねていくごとに最初の仕様とは段々と変わっていくことが多いので一日一度のやり取りがむしろ丁度いいのではないかと思います。一日一回ずつではありますが、オーダー主さんが納得いくまでメールの打ち合わせは何日でもお付き合いしますのでどうぞご遠慮なくご要望をぶつけて下さい。

久しぶりに工房直販ウクレレが出来上がりました。オーダー製作の傍でちびちびと進めていたので3ヶ月近くもかかってしまいました。「こんなの作ってみたんだけどいかがでしょう」的な意欲作を今後も直販でやっていきたいと思ってます。珍しい木材でボディを作って、初のコアブリッジ。ナットはエボニーです。カラッとした明るいサウンドになりました。なかなか面白いソプラノミドルに仕上がったと思います。ソプラノ、ソプラノロングの規定方法は製作家それぞれにみんな捉え方が違うのでちょっとややこしいですね。ある人は380ミリでもソプラノと言ったり、またある人は390ミリでソプラノロングと言っていたりもします。そこは個々の自由なカテゴライズでいいんだと思います。そもそもはソプラノボディにコンサートスケールのネックを合わせる意味でしょう。うちは345ミリが王道のソプラノ、360ミリがソプラノミドル、375ミリがソプラノロング、381ミリが王道コンサート、392ミリがコンサートミドル、400ミリでコンサートロングというカテゴライズにしてます。10ミリちょっとずつの刻みでも弾き心地は変わるもんです。個人的にウクレレの一番美味しい音がするのは短いスケールの方だと思っているので一番美味しい部分を細かく刻んでみた次第です。短すぎず長すぎない、360ミリが個人的に最も美味しく感じます。
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