
ネック製作完了
鹿島槍ヘッドを誕生させて以来、実に五回もマイナーチェンジを繰り返してきました。当初143mmもあったヘッド長は今、125mmまでサイズダウン。ヘッド厚も10.5mmまで削ぎ落とされました。スロテッドヘッドも3度のマイナーチェンジを経て横幅が短くなりました。個人製作家のウクレレのシンボリックな存在ともなるヘッドのデザイン。ここはほんとに難しい。尖ったデザイン過ぎず、単純過ぎない。ちょうど良い落とし所を何年もかけて探してきましたがもうそろそろ落ち着きそうです。…とかなんとか言ってまた変えていたら笑ってやって下さい。

続いて指板製作。左のクリアケースには特注で作ったオリジナルデザインのポジションマークも。指板ポジションをどうすべきか、よくオーダー時の相談で聞かれます。ここもほんとに難しいですよね。選択肢がたくさんあるってのは嬉しさ反面、全体のイメージの中心になってくるこの指板デザインを自分で考えるのは結構大変だと思います。個人的には何もポジションのないのっぺらぼうが一番シックでスッキリして好み。自分がウクレレ弾くときは特にポジションマーク見ずに弾いているのがほとんどで、たまにサイドポジションマークをチラッと見たりする程度です。あと、たまにカポを使うときなんかにポジションマークがあると逆に邪魔だったりします。

とは言えここ最近は専ら作ってばっかりで全く弾いていないので手の爪全部切り詰めてしまってます。なのでちゃんと弾けないと言った方が妥当かな。ピックなしでギター弾くのと同じですもんね。そもそも自分が弾くより他人の弾く音を聞く方が好きになってきました。特にウクレレ始めたばかりの人の音が好きです。ポロ、ポロンと座って練習してる人が散歩コースの近所の公園にたまに居たりします。あれがたまらなく心地良く感じる。休日感がありますよね、あの音には。
予定通り木工工程完了しました。来週は塗装へ。湿度と慎重に付き合いつつ進めて行きたいと思います。
あとがき

玄関先のアナベル
今年も何やかやであっという間に半年終わってしまいそうです。ほんと早い。「思えばいと疾し(とし) この年月」とはよく言ったものです。
自分には30歳の頃に出会って今もお付き合い頂いている16歳年上の印鑑職人さんが土岐市にみえるんですが、その方はアマチュア時代の自分のウクレレを4本、独立開業後にテナーを一本オーダー下さって今も大事に使ってくれてます。出会った時が46歳だったのでちょうど今の自分ぐらい。そして昨年還暦を迎えました。ずっとお付き合いさせて頂いてきた方が「還暦」を迎えるとよりリアルに時の速さを感じます。人生は思っているよりも短いって、先輩方に酒の席で言われてきたことは多分事実なんだと思う。いや、ふと思っただけのことでした。
今週もお疲れ様でした。来週も頑張ろう。
コメントをお書きください