佐藤友紀さんの歌うハナレグミ(追記でPP制作記録)

先日無事にオハナさんへOHモデル三本をお届けし、次はST三本の木工仕上げにかかっております。

今回もベアクロウシトカです。バインディングにはうっすら虎杢のカナディアンメイプル。STは白黒ストライプの口輪飾りとパーフリングになります。この写真ではほとんど分かりませんがサイドバックにはサペリマホです。ここ二、三年でサペリの使用頻度が増してきました。ホンジュラスマホガニーよりもややキリッとスッキリした鳴り方で個体差がなく使う側としては信用度の高い木だと思います。

久しぶりにドットだけでなく色んな柄の貝を入れてみました。2φパールドットを織り交ぜてクロス柄やファイア型を切り出したり。こういうちょっとしたことが結構楽器全体の雰囲気を変えたりするんですよね。

ひとまずSTは三本とも木地仕上げまで終わりました。シンプルながらも実際に手に取って頂ければもうこの段階で柔らかい感触を存分に味わってもらえる出来栄えに仕上がりました。ヒール形状を変えたりメイプルバインデイングのエッジ角を黒線ギリギリまで落とし込んだりと見た目以上によく見ると手の込んだ細工がいくつも施されてます。パッとみて分かる派手な加工よりもそういう言われて初めて気が付くぐらい調和しきった加工の方が職人のこだわりっぽくて好きです。いつもはこのまま塗装に突入させていくんですが訳あって今回は一旦ここで保留にしておきます。先にpoepoeさんモデルの制作に取り掛かります。

PP制作開始

QV、OHとショップモデルを作っていよいよPPの制作に入りました。poepoeさんモデルはロゼッタに貝が入ります。製作の足跡をちょっとずつ追加しつつ記録していきますのでよかったらちょいちょい覗いてみてくださいね。

先春に仕入れたドイツ松(左)と北米杉(右)がめっちゃいい音してるんです。オハナさんのOHに使ったのと同じ、共木で今回のPPの表板も制作します。

木取り、ブックマッチ、ドラムサンダー、ハンドサンダーで2.2ミリ厚まで落とし込む、鉋やスクレイパーでさらに追い込むの繰り返しです。今回はインディアンローズウッド、ホンジュラスローズウッド、フィギャードサペリのサイドバックになります。

サイドベンディング完了しました。PP396 Type3のホンジュラスローズは赤味が強いまさにバラみたいな色のローズウッドです。でもちょっとこの写真じゃわかりにくいですね。

サイドバックが出来上がりました。久しぶりのホンジュラスローズ。やっぱり重い木です。裏板は1.6mmまで厚みを落としたのにまだ重い。割れやすい木なのでこれ以上は削れませんでした。がっしりしたサイドバックはコンクリートの部屋みたいなものなので残響が多い。なのでむしろそれを上手に抑え込むような表板を作らなきゃ小ちゃなギターみたいなウクレレになってしまう。昔はそれを歓迎してワースBM張って「どうだこのロングサスティン!」みたいにドヤっていたわけですが、45になってだいぶ趣向が変わりました。主張し過ぎないうま味みたいな音が刺さるんです。妙に(笑)

いよいよ表板の制作です。今回もハカランダを贅沢に使います。もともと指板材として仕入れておいたものを薄くスライスして、しかも絵になる箇所だけをトリミングしてはめ込むという…なんという贅を尽くしたパーツでしょうか。ハカランダは指板材だけでも3万円はします。それを薄くしてスライス…有り得ません。つまり表板材の米杉よりビルドインパーツ材の方が高価という(爆)

今年も工房にハイビスカスが咲いてます。花は元気をもらえますね。にしても富士フィルムはほんと発色が良いですね。これはベルビアで撮って出しです。花の撮影はおしべにピントを合わせてと…。絞り解放1.4の広角単焦点レンズなんですが3.2まで絞ってオシベと花びらまできっちり解像させてみました。これオシベまで3センチまで寄って撮ってるんですよ。それでちゃんと花びらまでピント合って背景ボケるなんて凄いレンズですよね。写真に興味ない人にはどうでもいい話ですが。

TOMOKI SATO info

DAY2 6/3 19時ウクレレステージで佐藤友紀さんトリでご出演予定です!

拡大してご確認くださいね

さて、話題は変わって僕が心底リスペクトするアーティストの佐藤友紀さん。今年初めのお引き渡しからまだ半年も経っていないというのにものすごく弾き込んでくれていて嬉しすぎる日々です。大人格好良さ満点の友紀ワールドが大好きでして、ウクレレでこんなアイランドミュージックからブラックミュージック、さらにハナレグミまでやれちゃうんだと毎度毎度動画がアップされるごとに感動してます。ライブ動画を拝見するといつも感じるんですがバンド全体の温度感がめちゃくちゃ心地良いんです。何年も続けてきた蓄積で作り上げているグルーブなのかもしれませんがお客さんまでもが同じ空気に包まれてて、こんな素敵なライブはぜひ生で一度見に行きたい。と、いつも思いつつまだ実現してません。年内に一度は絶対見に行きたいと思います!

first contact

先日大阪でのライブ動画です。友紀さんにお作りしたテナー、いい仕事してます。嬉しいっ!ちなみにベーシストの堅志さんはこのライブの後、ジェネレーションズの大阪公演にもベーシストとして参加。ボストン仕込みの友紀さん、堅志さん、凄い人たちのライブ動画をどうぞご堪能ください。

今週の戯言

先週とある明け方。

夢枕に一頭の雄鹿が。いや、どんなシチュエーションだったかはハッキリとは覚えてません。とりあえず寝起きすぐにその辺の紙切れにスケッチしたものがこれです。

 

山を歩いていると、特に鈴鹿山系の竜ヶ岳や霊仙山あたりではもう鹿の群れだらけなんですがこんな鹿に毎度出会います。たまにカモシカが自分よりもちょっと上の崖の方からヌっと見下ろしていたり。あ、ちなみにカモシカさんは鹿じゃなくて牛科です。山では高山植物を食べてしまう害獣としての認識が強い鹿。奈良では神様の使いとされている鹿。どっちが人間にとって正しいのか知りませんが実際に山で出会う鹿の生命力というか、力強さみたいな印象は紛れもなく命そのものに感じます。結論も言いたいことも定まらない今週の戯言でした。

寒暖差にやられ気味な方