苺狩り

5月第一週は仕上げ作業メインでした

 

製材からここまで約七週間。木屑まみれの木工と天気と睨めっこの塗装を経ていよいよ仕上げに入る朝。まずは熱い珈琲で気持ちを落ち着かせます。組み込み調整作業、ここが一番肝です。一個ずつ確かめながら納得行くサラッとした弾き心地になるまで突き詰めていきます。

使う弦はマーティン社のM600。一応、フロロカーボンではあるんですが弾き心地はフロロとナイロンの中間のような感触でとても気に入ってます。和らぎ水なしでは酒が呑めなくなってきた45の春、年を重ねるごとにサスティンに対する執着が薄れていくのはなんでだろう(笑)この弦(M600)も全くサスティンがないわけじゃないんです。ダダリオで言ったらEJ88とEJ65を足して割ったような雰囲気で1弦は.019と細く3弦は.034と太め。つまり1弦はブライトに、3弦は太く暖かく鳴る上にそこまで後を引かないサラッとした鳴り方なんです。この弦と今の自分のウクレレの作り方がとても相性が良くて、軽いタッチでポーンっとなるようなアタック&ライトレスポンスにハマってるんですよ。30代の頃は見向きもしなかった方向性ですね(笑)

 

 

ウクレレを作り始めた頃はどこかギターの延長みたいな間違った捉え方でこの楽器を作ってしまってた気がします。歳くってもっとほっこりとした音がなんだかすごく耳に馴染むようになってきました。シャリーン、ほらまだ鳴ってる、すごいサスティン!なんてのはもういいかな。そもそもウクレレって語源が「ノミが跳ねる」じゃないですか。人差し指と親指を指板の上でドアノブ回すくらいのちっちゃく細やかなハンドリングで弾くもの。決してギターみたいに肘から大振りする必要はなくて、軽いデコピン?くらいの感じの人差し指で気楽に弾く方が小気味良く鳴ってくれる。返す親指の腹で3弦を撫でると暖かくて太い音が出る。4弦がいつも良い感じの倍音効果を味付けしてくれて四本全体の調和がうまく取れている。それぞれの弦がいい感じに作用して心地良い雰囲気を作ってくれるんですね。

今はそのノミ跳ね奏法を基本にM600を美味しく鳴らすためのセッティングで仕上げてます。ウクレレってジョイントあたりを中心に指板の7フレットあたりからブリッジ際まで色んな箇所を弾くので全部完璧にビリつかないように仕上げるなんてそもそも無理です。超軽く弾いても発生するビリつきをやっつける程度です。全体的な擦り合わせは軽くちょちょッとやっておしまいです。ナットも少し高め、サドルも12フレットで2.6ミリとやや高めにしてます。柔らかいM6ooなら多少高めでも弾きにくさは感じないと思います。それでもお客さんが多少のビリつきは気にしないから全体を下げて欲しい場合はもちろん工房に送って頂ければ喜んで対応させて頂きます。

という感じで仕上げが終わっていよいよオハナさんへお届けする準備が完了しました。来週木曜日(5/11)のお昼1時ごろに直接お店までお伺いする予定です。お近くでお時間ある方はぜひ弾きにいらしてくださいね。仕上がったウクレレたちのご紹介はまた別記事にて。

OH392 typeⅢ

毎度仕上がる度に普段愛用しているコアソプラノより俄然魅惑的なウクレレが生まれてくるので物欲抑えるのに必死です。ふた月に一回か二回は「これ欲しい」と「いやいやショップオーダーだから」の狭間で悶えております。自分のウクレレの魅力を自分が作るウクレレが次々に超えていくのは嬉しいやらうしろ髪引かれるやら。ま、でもそうやって悶絶するくらいのウクレレができていれば多分OKな気がします。自分が欲しいと思うってことはお客さんもきっと満足してもらえるウクレレに仕上がっていると思うので…。

さて、日曜日は近所の美濃関ファームさんへいちご狩りに行ってきました。先日栃木の妹夫婦(苺農家)から送られてきた「とちあいか」があまりにも美味しかったのでじゃあ岐阜にも美味い品種もあるから行ってみようかとなりました。あいにくの雨ザァザァ降りの天気にもかかわらずハウスの中はたくさんのファミリーで賑わってました。

だだっ広いハウス

美濃の苺は濃姫と紅ほっぺが有名ですね

ちょいちょいどこに行ったかわからなくなる

もはや天国