伊根の舟屋

先週末に愛用のソプラノを持ってふらっと奥京都へ行って参りました。自宅から2時間半の雨のドライブ、桜の宿。楽しかったです。

 

伊根地区の舟屋はご存知の通り住居下に船付き場があるのが特徴です。入江を塞ぐようにして横たわる島のおかげで潮位が50センチほどしか変わらないことで可能な住居スタイルだそうです。

 

伊根地区に一軒だけある酒蔵は伊勢志摩サミットでも振る舞われて有名になったお酒だとか。イネカフェなど素敵なスポットもあって外国人観光客で賑わっておりました。

 

宿に着くと庭先にはこんな素敵な桜がお出迎えです。ふと日本人で良かったと妙な言葉が口を突いて出てきました。今更ながら桜の綺麗さって何でしょうね。決してピンク色じゃない。白を基調にほんのり薄桃がかっている。それが満開になると視覚的に桃色に見える。幹枝の褐色がコントラストになっていて花を引き立たせている。「綺麗だな」って感じるとこういう風にそれを分析しちゃう癖が昔からありまして。結局僕の頭の中はそれをウクレレデザインに活かせないかっていつも考えてるんだと思います。最近になって美意識の観点が「一点の花」より「均整の取れた全体美」に重きを置くようになってきました。どこも特に変わった部分はないんだけど引きで見ると綺麗だなって思えるようなデザインを追求していきたいなと思います。

 

宿の縁側で桜を眺めつつ「さくら」を弾きました。AmとDm、E7の3コードで舞い落ちる花びらを見つつ間をとってポロんと弾く何とも心地良い時間。こんな小さなウクレレ一つさえそばにあればどこでも贅沢な時間にできるって幸せです。僕のウクレレを弾く際のルーティンはまずケースを開けて取り出さずに眺めること。そこに収まってる姿にニンマリする。次に取り出してクロスで軽く拭く。それからチューニングマシンを使わず音叉で調弦。ウクレレの音を合わせるというよりは自分自身の気の流れを整理するイメージです。整ったところでコードを一つポロりと弾く。そんな流れです。弾く前の愛でる時間が好きなんです。何せ自分で作ったウクレレだけに。

 

工房に戻って4月末納品予定のウクレレショップオハナさん行き三本の製作。オハナさんモデルは口輪にスタビライズドのバール材を嵌め込んだものになります。モデル名はUMとしました。もちろん僕の大好きなオハナのオーナー馬野さんのお名前を文字りました。

鎌倉で販売中の三本もよろしくお願いします