今後のモデル展開について(23日追記)

次の鎌倉3本の表板が出来上がりました。

今回は豪勢に3つともハカランダのビルドインピックガードです。

先月納めさせて頂いた鎌倉モデル

今後鎌倉に納めていくウクレレは基本的にこの面構えになります。ロープ柄の口輪飾りにビルドインピックガード、パフリングはモノトーンのロープ柄。ボトムにエボニーの髭飾り。

こちらも先月鎌倉に納めさせて頂いた360mm/14fret jointです。本格的にビルドインピックガードを採用した一号機となりました。

音作りのコンセプト

弾き心地もとても柔らかくて女性でも指馴染みの良い優しいウクレレになったと思います。軽いタッチでポーンと弾いてくる。2弦3弦の280Hz近辺のミドルレンジが心地よく鳴る。その上でA弦が前に出る。

今年は↑の鎌倉柄を含めて4パターンの面構えで展開していく予定です。※上がⅡ型・下がⅠ型のボディシェイプ

 

  • ロープ口輪にロープ・パフリングの鎌倉柄
  • 自作ヘリンボーン口輪に自作ヘリンボーン・パフリングの名古屋柄
  • スタビライズドキルテッドメイプル口輪にロープ・パフリングの岸和田柄(ホームページ壁紙の佐藤友紀モデルの口輪柄)
  • アバロン口輪にロープ・パフリングの岐阜柄

今後実際に製品化していく際のモデル名をどんな記載にするかはまたじっくり考えていこうと思います。鎌倉ならクワイエットヴィレッジのQVをつけて381QVⅡとか名古屋はpoepoeさんのPPで396PPⅢ、岸和田がちょっと難しいですね。例えば360KWⅠとかになったりして(これだとキロワットみたい)。とりあえず呼称はまだ未定です。

 

○スケールとボディシェイプについて

 

今後は以下のスケール展開となります。例外を除いて基本的に14フレットジョイントです。

  • 345mm  ソプラノ(受注)
  • 360mm  ソプラノロング
  • 381mm コンサートショート
  • 392mm コンサートミドル
  • 396mm コンサートロング
  • 432mm  テナー(受注)

 

これまでは「このモデルはこういうボディシェイプでこのスケール」と最初から決めてしまっていました。今後はこれに加えて木材や柄まで選べるようになる。かなり自由度が上がるんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型

 

ボディシェイプはスケールごとに特定せず、ソプラノ専用のⅠ型、ソプラノ・コンサート併用のⅡ型、コンサート専用のⅢ型、テナーのⅣ型となり都度選択していける様に変えます。

 

例えば360ミリスケールのⅠ型ボディを岐阜柄、381mmスケールのⅢ型ボディを鎌倉柄、392mmスケールのⅡ型ボディを岸和田柄といったものになります。ソプラノボディ専用のⅠ型にコンサートスケールというのはケースに入らないので出来ません。新たに設計し直したケースはヘッド側にいくらか余裕をとってもらったので「スケールを選択する」ことが可能になりました。うちのウクレレの主戦力はコンサートスケールです。なので他ではあまり聞かない「コンサートショート」「コンサートミドル」「コンサートロング」の381~396の15ミリの間に3つのモデルを用意しました。

 

それぞれ音のキャラクターが微妙に違うボディシェイプに自由にスケールを組み合わせる楽しみが広がると思います。柄も含めてユーザー皆さんに楽しんで頂ければという狙いです。鎌倉柄についてはもうほぼ完成の域まで来ましたが名古屋、岸和田柄については少しづつ変わっていくかも知れません。今年一年間微調整しながら来年にはお店含めてユーザーの皆さんにうちのウクレレの新しい展開方法が浸透していったら良いなと思います。

 

左Ⅰ型・右Ⅱ型

Ⅰ型はこれまでクラシックソプラノとして345mm/12フレットジョイントで製作してきたソプラノボディです。このⅠ型にソプラノロングスケールの360mm/14フレットで合わせた場合のブリッジの位置がうっすらとテンプレートに描かれているのがお分かりになるでしょうか。何とも言えないほどベストポジションに来るのが不思議です。これまでのクラシックソプラノよりふくよかな鳴りになるんじゃないでしょうか。

 

対して右側のⅡ型はこれまでモダンソプラノとして360mm/14フレットジョイントで製作してきたソプラノロングボディでした。そのままⅡ型の360mm/14フレットジョイントでお作りすることも可能ですが、これまた不思議なことに381mm/14jointを採用するとブリッジがほぼ真ん中にくるコンサートショートとして、392mm/14jointを採用するとややエッジ寄りのコンサートミドルとしても使えてしまうんです。これは10年やって初めて気がついた発見でした。これは作る方も毎回どんなウクレレが誕生するか楽しみです。

左Ⅱ型・右Ⅲ型

Ⅱ型とⅢ型を横並びで比較。長さが一回り大きく肩幅はⅡ型の方が大きい。実はⅢ型は旧スタイル4というコンサートモデルのシェイプです。これは10年前にタイのアーティストで親友のアピラクと一緒に作ったモデルで12フレットジョイントを採用していました。このⅢ型に392mm/14jointのコンサートミドルで合わせた場合のブリッジ位置がテンプレートに記載されています。396mm/14jointのコンサートロングスケールを採用した場合はもう5ミリほど後退しますがそれでもほぼ中央にブリッジがきます。

兎にも角にもユーザーにとってワクワクする選択肢を作っていきたいって言う気持ちが少しでも今回の記事でお伝え出来たのなら幸いです。ガレージブランド最大の利点はユーザビリティの高さですよね。なので今後もお客さんにできるだけ寄り添ったものを目指したいと思います。