工房日誌

こちらは先週工房に入院してきたテナー。アーティスト、Tomokiさんの二号機です。症状はピッチの不安定化。実は本機はハワイで一度ブリッジが飛びました。それで急遽現地で応急処置してブリッジは一旦貼り直されていました。しかしわずかに1ミリほど右斜め前に傾斜して貼られた為に4弦以外は全てシャープしている状態に。加えてピックアップのアンダーサドル素子がメッシュ状のものからバー状の厚みのあるものに変わっていた為に弦高が2.6mmまで上がって音程がシャープする一因となっていました。一旦ピックアップを外してブリッジを剥がしました。その後、元のブリッジよりも1ミリほど幅を広げるため塗膜を水平方向に幅1ミリ鑿でまっすぐに切り欠きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

元のブリッジの幅は20mmでしたが今度は21mmで作ります。工房のブリッジストックには21mm幅はないので新たにブリッジバーを作ります。ジグとトリマーでこれはすぐに作れます。

 

 

 

 

 

 

 

バーの耳部分を作る為に鑿で攫ってヤスリで整えます。ブリッジ作りは結構好きな作業です。うちのブリッジはソリッドな形状で面白みはありませんがコンベンショナルなものほど飽きが来ないのも事実。私はこの形、好きなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新ブリッジ設置

 

サドル溝に開けた3φ穴に糸を通す

 

その先をピエゾ側に結ぶ

 

 

 

 

 

 

 

ピエゾを引き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オクターブチェック

 

備忘録として書いておきます。

仕様弦はダダリオEJ65T・設定スケール432ミリ

  • 1弦 実寸値433mm/12F上の弦高2.0mm
  • 2弦 実寸値434mm/12F上の弦高2.3mm
  • 3弦 実寸値435mm/12F上の弦高2.5mm
  • 4弦 実寸値433.5mm/12F上の弦高2.0mm

 

昼間は別部屋で塗装作業を進めつつ今日はブリッジ制作、テナーリペアを行ないました。また誇らしげにステージの上で活躍するこのテナーをイメージしつつリペアを進めます。二人三脚でフィードバックを頂きながら楽器を育てる。この仕事をやっていて一番面白いと感じるのはまさにそんなとこ。そしてそれをプレイヤーが心地良く披露している瞬間がまたいい。酔いしれたいんだな。良い音に。友紀さんのライブを眺めつつバーカウンターで一杯やる、こんな最高なことはないですよ。

 

 

 

 

 

 

 

サイドバックのブビンガがいい仕事している

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はクリスのインスタから引用させて頂きました。何やら興味深い企画を次の動画でやるようです。たぶん音だけ聴いて彼の所有ウクレレの6本のうちのどのウクレレの音かを当てる企画?かな。たぶん自分の作った2本については間違いなく聴き分けれると思いますが残り4本については…たぶん分からない。。この企画のために6本とも同じ弦、ハイG仕様にしたとのことです。これまでホンマホサイドバックの1本目がローG、野生マンゴーサイドバックの2本目がハイGだったので両機ともハイGになるのは初めてですね。これまた興味深い。表板は両機ともシダー系、スケールもジョイント位置も同じ。純粋にサイドバックが出音に与える影響を比較できる機会になると思います。アップされたらまた後ほどご紹介できればと思います。ではまた!