オハナさんに納品に行ってきました。
タイプ2
ソプラノロング375mm
タイプ3
コンサート392mm
今回オハナさんに納めたウクレレは2本、どちらも同じ仕様でサイズ違いです。表板に希少材のシンカーレッドウッド、サイドバックにローズウッドの間違いないペアですね。シンカー材というのは河川や湖底に百年単位で沈んでいたものでいわゆる「水中乾燥」という状態に長いこと置かれていたものです。季節や大気の環境に晒されることなく保存されるので良好な保存状態のシンカー材は貴重な楽器用材として使われます。類似したもので「神代」という材がありますが神代は陸上の土壌に埋もれていた材です。どちらも沈んだ(埋まった)時から現代にタイムスリップして工房の机の上にやってきたと思うとロマン満点ですね。例えばこのシンカーレッドウッドも100年以上前の北米の河底に沈んでいた眠りから新たにウクレレとして息吹を吹き込まれたわけです。シンカー材は非シンカー材と比べて音の印象は華やかに感じます。なんというか、前にパーンと出やすいというか。その上で3弦の響きにちゃんと芯もある印象を持ってます。シンカーレッドウッドはある時にしかない材なので仕入れの機会があればなるべく手にしておきたい木材の一つです。
こちらはお客様オーダーのバリ寅コア。ビルドインピックガードにはブラジリアンローズをはめ込んでます。外観の派手さに負けない太く華やかなサウンドに仕上がりました。きっとお客様も喜んで頂けることと思います。
今回の三本の製作風景を1月下旬から3月頭までのおよそ五十日間、撮影したドキュメンタリーです。よかったら覗いてください。ここのところ海外からの問い合わせが多くなってきているので全編英語のナレーションになっています。必要でしたら⚙️で日本語字幕設定にして鑑賞してください。ちょっと和訳がおかしな点も見受けられましたがおおかた大丈夫そうでした。ペグ以外全ての部位が手作りで出来上がっていることが見て頂ければ幸いです。
撮影の裏話です。今回使ったカメラは全て富士フィルムのX-T4に昨年購入した最新のレッドバッチズームレンズ、XF16-55/F2.8のバージョンⅡです。このレンズの進化が半端なくてまるでフルサイズのようなボケ感です。全てのシーンをこのレンズ一本で撮影しました。置きピン(ピントをあらかじめマニュアルで決めておいて撮る方法)で撮りたい部位を狙って撮ったので五年前の製作動画のような「なぜそこにピントが」的なミスはないと思います。五年前の製作動画は知人から借りたソニーのフルサイズ機、α7R4にツアィスレンズの24-70を付けてオートフォーカスで撮影しました。画質はそこそこ良かったんだけどピントを全部カメラ任せにしていたのであーなってました。やっぱり機材はAPS-Cであれフルサイズであれ使い方次第で変わるんだなと実感。全然APS-Cの最新レンズで十分な気がします。
こちらがその五年前の製作動画。映像の質感もそうだけど、そもそもの製作の進め方もだいぶまともになってきたなと今回撮影して思いました。自画自賛です。一番変わったのはジョイント部分の形状。アリ溝でジョイントする方法は変わらず。ですがそのジョイント面が平坦から曲面になったというのが自分にとって物凄く大きな進化です。ボディラインのカーブに沿って自然なアウトラインでジョイントされていることに長いこと憧れていました。一言で言うと難しくてずっとできなかったんです。下手だから。そこを長坂さんに教わってやっと二年前に初めて成功。以来、やっと憧れのカーブジョイントで今に至ってます。やっぱ近所に偉大な先生がいると助かる。



コメントをお書きください