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いつまで経っても

NO.353 ST345SI Type1

 

 

 

 

 

 

もはや高級材として高値で取引されている良質な中米産のホンジュラスマホガニーはいつでも手に入る代物ではなくなってしまいました。こちらはフィジー諸島などのオセアニア産ホンジュラスマホガニーです。「オセアニアのホンジュラス」と言われてもピンとこないですよね。つまりホンジュラスマホガニーの苗木を他の地域で移植して生育したものやその子孫です。遺伝子的には同じでも育った環境で色味も木理も変わってきます。フィジーマホはクリアラッカーで塗装した状態でオレンジ色。年代物の中米ホンマホは少々赤い。

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前に初めてフィジー諸島のホンジュラスマホガニーを使ってソプラノを作った時は扱いがよく分からずなかなか納得のいくサウンドにはなりませんでしたがここ最近になってやっと理想的な組み立て方がわかってきました。木材ごとの個体差が結構あるので臨機応変に厚みを変えていくと良い結果につながるようです。うまくいくと今回のこのソプラノのように古材のホンマホ以上に心地良いサウンドになることも。

 

 

 

 

 

 

 

「木に学ぶべし」と申しますか、つくづくこの仕事は観察して考えて作戦を練って形にしていくことの繰り返しだなと感じます。単に名の知れた高級材だから絶対にいい音に仕上がるというわけでもないし、また同時に亜種材だからチープな音に必ずなるということでもない。ある程度きちんと選別されたものを扱う前提においてはどう仕立て上げていくかが鍵なのはどんな木材が相手でも同じ。

 

 

 

 

いつまで経っても勉強ですね。