鹿島槍ヘッド誕生

やっとお披露目「鹿島槍ヘッド」

北アルプスの山々を歩いて頂いてきたインスピレーションをもとに作成した新しいヘッドシェイプがやっと形になりました。名付けて「鹿島槍ヘッド」。もちろん前回の記事でご紹介した後立山連峰の百名山「鹿島槍ヶ岳」の稜線をモチーフにさせて頂きました。鹿島槍様に心から感謝の気持ちでいっぱいです。写真で遠目に眺める以上に実際に歩いてみると雄大で長大な尾根でした。八ヶ岳の硫黄岳のような広陵とした雰囲気と赤岳のような孤高さが混ざり合ったような、何とも気高い山でした。

 

 

 

どんな形にしたら鹿島槍の「高さ」と稜線の「雄大さ」を表現できるかをこの一週間じっくりと詰めていきました。扇沢からのっしのっしと1300mちょっと登っていくあの感じ。下界からの登山道と稜線が交わる場所を「乗越(のっこし)」と言うんですが、鬱蒼とした下界から抜け出て稜線に乗っ越した瞬間の空の広さとピークへとどこまでも続く白い道の爽快さをこのヘッドに宿したい。ただ単にヘッドを作るんじゃなくて、自分の思いを込めたラインにしたい。そんな色々が詰め込まれた鹿島槍ヘッドです。

今回の新デザイン製作過程を通して、例えばハワイのアマチュアビルダーさんの中でダイヤモンドヘッドをモチーフにしたヘッドをたまに見かけるんですがそれも故郷の自然神に対する敬意を形にしたものだと言うことを痛感しました。私は中部地方に暮らす日本人。なので名山だらけです(笑)。。。それなのにどの山にしようか全く迷いがなかったことに正直驚きました。頭の中に鹿島槍がすーっと描かれたんです。後立山連峰で一番有名な山は何と言っても「坂の上の雲」のエンディング空撮で有名な稜線の「白馬岳(しろうまだけ)」ですよね。その白馬から順に南に向かって唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳と連なっているのが後立山連峰で文字通り立山の後方に位置する山並みです。

自然へのオマージュと木工品への愛着。一つ一つの線や材に思いを込めて作っていきたいと思います。