· 

セイレンに修学旅

いつかは行ってみたい。ずっとそう思っていた所へ…ずっと前から直接その人の「仕事場」を覗かせて頂きたいと思っていた場所へ。思い切って行って参りました。

















ま、何処かっていうともうタイトルにある通りセイレンさんです。松本です。信治さんのとこです。盗める製作ノウハウは片っ端から盗むつもりです…。信治さんはむしろどんどん真似してもらって構わないスタンス。後発組の育成にはとことん熱心。もう遠慮なく学ばせて頂きます。まさに大人の修学旅です。













セイレンに到着すると暖かく出迎えてくれました。この写真は帰り際に一緒に撮って頂いたものですが…。松本の木工町という町名の中にセイレンはありました。













ここからセイレンのウクレレが生まれていく。まさに木工の場所。木工部屋に溢れる木の香り。同業なはずなのにもうワクワクが止まりません。













モデルごとに左右同時に2枚曲げることのできるペンディングアイロンの型。うちのは1枚ずつ。倍の速さで曲げれる。今度真似して作ってみようと思います。














トップバックを圧着する設備。3台同時に、がっちゃんと挟み込むだけで接着可能。これも驚きました。うちは一台ずつ22箇所のスプールクランプで圧着しているので片面につき15分かかります。オレンジのクッションはガスのホース。このアイデアも素晴らしい…!


















シダーウッドの力木。これも驚きました。シダーウッドを使うという発想は無かった。シトカよりも軽くしなやかでトップの振動を邪魔しない。















ボディ材が同じだとしても骨組みとなる力木が変われば出てくる音も変わる。その一本一本も微妙に音が違う。適材適所の力木。これは早速やってみようと思います。


















ヘッド角は11度。ここは僕と同じ考えだったことに感動。そして偶然にも同じオルカスの同じゲージの組み合わせ。1弦には022。ヘッド角を緩めにゲージは太くして音痩せさせずに絶妙な弦のテンションバランスを取る。ここは楽器を組み立てていく際に一番難しい部分だと僕は思います。ヘッド角、ナット高、指板の厚さ、サドルの高さ、ブリッジからサドルまでの弦の立ち上がり角度、最後に弦の止め方。それを受けるボディの剛性と構造。全部に作り手の意図があって外見で分かる部分とそうでない部分がある。これはほんとに難しいです。絶対的な正解もないわけで…。















 

ボディテンプレートです。グラマラスでバランスのとれたシェイプ。
















ヘッドの真ん中にシンボルをインレイしているところも僕と同じ。ウクレレのヘッドはそもそも小さいので中央の方がバランス良く見えると個人的には思ってます。このオーバルパール、ほんとに綺麗ですよね。
















山と積み上げられたリム。美しい。

 



















はみ出た接着剤をストローで掻き取るアイデア。これはかなり前に信治さんのインスタグラムで紹介されていて、そのときから真似してます。信治さん曰くマックのストローが一番使いやすいとのことです。今度ストロー欲しさにマック行こう。



































一番右、タマナ。小笠原諸島の木。

初めて現物を見てその綺麗さにうっとり。
























出来上がっていくウクレレの一本一本にとことん愛情とアイデアが詰め込まれている…まさにその現場を余すことなく見せて頂きました。何より信治さんの目の奥に製作への好奇心が滾っていることをひしひしと感じました。良い楽器、面白い楽器を作るその根源は何と言っても作り手の好奇心、愛情。その強さが半端ない。ノウハウは真似できるところはある程度までは真似できても、その根源は自分で育てるしかないわけです。信治さんにはこのオーラが並外れているんだってことを間近に見て再認識しました。
















聖地で聖火を分けてもらった心地で岐阜に戻りました。製作への情熱の火をもっと大きく育てて行こう。一番の収穫は分けてもらったこの情熱の聖火かも知れません。帰ってバンバン作りたいと思います!あ、マック寄って行こう…。