
うちの工房はご覧の通り5畳半の極小スペース内で木工工程と塗装工程が同時に進められているわけなんですがいい加減何とかしたいと思いつつも、本宅内には仕事を一切持ち込ませない妻の方針に逆らえる訳もなく(笑)結局この小さなアトリエで製材から仕上げまで全て行い続けて早11年が経過しました。

製材待ちの3Aハワイアンコア
木工面での現状の課題はやはり写真のような大物の挽き割りが出来ないこと。フリッチ材(木の塊)を仕入れて何年か本宅の倉庫に置いてあったものをいよいよ製材して薄くスライスしていく作業を挽き割りと言うんですが写真のような大きい木材をこの狭い工房で挽き割ることは物理的に無理です。いざ割ってみないと中身がどんな塩梅なのかは分からないので下手に小分けにしてしまうわけにもいきません。そんな時はもう変なプライドは捨てて挽き割り専門の木工所に出します。その際に結構な手間賃が毎回かかってしまうのが痛い。もっと広い工房、馬力のあるバンドソーがあればきっともっと木工が楽しくなるだろうな。そんなことをいつも考えてます。ないものねだりです。ただ現状での不満点は大物の挽き割りが自前で出来ないことぐらいです。電圧が200Vあればもっといいなともたまに思いますが家庭用電圧でも十分にこなせてます。それよりも問題なのは塗装。

この狭い空間で木工と同時進行で塗装をやるのは本当に大変です。木工をやれば必ず粉塵が舞います。塗装の中盤戦までは荒く研磨しまくるのでそれも大した問題にはならないんですが、いよいよ塗膜をシビアに仕上げていく段階に入る中盤以降は難儀します。その塗装後半戦を具体的に見ていくと…
サンジングシーラーで塗膜の凹凸をきっちり無くすところまでの塗装工程は同じですが仕上げにグロス仕上げと艶消し仕上げのどちらかを選択するかでその後の工程が変わってきます。
・グロス仕上げ→数回ラッカークリアを吹き付け#2000〜#3000程度まで塗膜研磨の番手を上げて行って最後はバフ磨きして仕上げるやや長い工程となる。メリットとしては最終的に研磨して磨くのでスプレー中に多少の埃が付着しても気にする必要がない。
・艶消し仕上げ→どの程度の艶消し具合にするか(30%艶消し、半艶、100%艶消し)を決めた上で2回、もしくは3回艶消しラッカーを吹き付けてそのまま乾燥させる。いわゆる「吹きっぱなし」の比較的短期間で終えることができる。デメリットはスプレー中に埃が付着してしまうとやり直しになること。これが木工と同時進行の最大の課題。

艶消しで仕上げるために工房内の木屑や粉塵が舞ってしまわないように気をつけてるんですがやはり完璧に埃やチリを無くすことは無理。ラッカー吹き付け前には集塵機で隈なく掃除します。研磨したウクレレ本体は静電気除去ブラシで軽くブラッシングしてチリが寄り付かないようにします。吹き付け前には毎度それをルーティンにしているので時間もかかる。吹き付けすぐには木工作業はできないので朝飯前、昼飯前、夕食前のタイミングでスプレーしてます。

4年ぶりの賑わいを見せる花火大会(工房から撮影)
自前で挽き割れる木工環境は諦めるとしても、せめて塗装ブースだけでも別個で欲しい。物価が上がる前の5年前にも庭に3畳の小屋を作ろうとしたことがあったんですが工務店の事情で一旦却下。ちょっと今年は多忙すぎて動けないけど来年中には絶対建てようと思います。業務用有扇ファン付きの3畳小屋、これが今一番欲しいものです。
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