ドイツ松とハカランダのMODERN CONCERT

ドイツ松&ブラジリアンの最強タッグ

ブラジリアンの加工は本当に気を使います。グラッシーなサウンド、ガラスのハート。繊細かつパワフルな相反するキャラクター。そんな器に張る幕板は似たようなキャラで繊細かつ大胆なドイツ松。似たもの同士を木工段階で「良い加減」に整えてやれば最高にスイートなサウンドになるんですがこれがまた難しい!虎杢材のような交互に弱い繊維がある木を曲げるのとはまた違った曲げにくさがあるんですよ。霧吹きをしてベンディングアイロンにあてて曲げていくと手のひらでそれを実感せざるを得ないわけです。一瞬硬さを感じた次の瞬間には割れていることがある。季節と室温を存分に加味しながら作業を進めないとなかなかうまくいきません。割れるのを恐れて2.2ミリとか厚いものにしてしまうと肉厚過ぎて大人しいパッキパキな音にしかならない。かと言って薄くすればあっさり割れてしまう。そうそう手に入らない超希少な木ゆえに失敗はしたくない。そんなこんなでやっと形になって初めて弦を張った時の産声の感動たるや言うに及ばずです。

 

 

 

 

 

色んな苦心の果てに聴こえる音がある。それは製作者にしか味あわ得ないロマン。いいんですよ。何度失敗しても。少しずつ賢くなっていくんだから。自分の手が確実に失敗の記憶を刻んでいる。それがいいんですよ、めっちゃくちゃ旨い酒は一年じゃ出来ないのと同じですね。きっと明日も何かしらやらかす。それでもいい。糧ですな。いわゆる。