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5/15(sat)

おはようございます。

来年で工房十周年になるってのに今年に入ってもまだマイナーチェンジを繰り返している万年落ち着きがない製作家ですみません。たとえば馬蹄ロゼッタを始めたのが3年前の暮れでしたが、やり始めた当初はまず馬蹄の素ととなる寄せ木の作り方が全く分からず手探りで組んでいたので完全に馬蹄メインのロゼッタになっていました。だいたい30枚くらいの薄木のミルフィーユを鉋で角度を付けて貼り合わせているんですがそれが何度やってもうまくいかない。二ヶ月くらいまがい物の金太郎飴を何個も作っていると果たしてこれは意味があるんだろうかと自問した期間でした。クラシックギター製作の参考書は持っているのでそれに倣って素直にドットで象嵌すればいいんじゃないかと考えもしましたが、やっぱりドットじゃなくて直線でビシッとしたデザインにしたかった。ようやくそれがなんとか形になったので実際にウクレレの表板にはめ込んだらまあまあの見栄えにはなったんです。が、当初は馬蹄にすることに必死で馬蹄メインのロゼットになってました。だんだんとそれも進歩していって馬蹄の高さや頂点のえぐり加減で雰囲気を変えていくうちに馬蹄そのものは脇役に回るようになっていきました。きれいな貝のリングの引き立て役としての馬蹄。今はそんな意味合いが強い。私の製作するウクレレの顔になってくれている馬蹄ロゼッタ。3年前に苦労して生み出して良かったです。

 

 

 

 

 

 

他にも色々と変えてきた部分はあるんですが、音に直結するところでいくと胴厚とサウンドホールとスケール。今まさに変更中なのがクラシックコンサートの仕様で、ボディ厚についてはネック側は以前のままでボトム容量を増やしました。ネック側で58ミリ、ブリッジあたりの一番深いところで65ミリ。裏板のアーチを若干大きめに。サウンドホールは50Φだったのを53Φに。スケールも381mmから392mmに。狙っているのは音の深さを出したいのと箱そのものの共振音域を上げたいこと。これまでのコンサートの仕様でB♭あたりだったのをなるべくC音近辺で箱が共振するようにしたい。そのために音の出口を広げ、スケールを伸ばすことでブリッジの位置が後退してリムに近づくことで音程が上がる。リムに近づく代償で固くなる音をボディ厚を少し深めてカバー。そんなこと狙ってます。そんなうまいこといく…わけにゃいかんでしょうが一歩ずつ。小さな一歩の積み重ねが遠いと感じたあの黒部五郎の頂きに立てたあの体験と同じと思って頑張ります。今朝はこの辺で。ではまた!