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ウクレレ作りの裾野

「散歩ですか?」

「いいえ、まだです」

 

 

 

さて、今年のコロナ禍の巣篭もり需要の為か趣味で週末ウクレレ作りを始める方が増えているそうですね。昔から製作キットも通販でありましたがどんどんウクレレ作りの裾野が広がっていってほしい。今まで色んな場所でウクレレを作ってますという方に出会ってきましたが今後は益々そんな方々との出会いが増えそうで楽しみです。

ウクレレ関連のYouTuberさん達の中でも新しい試みとして今年からウクレレ製作キットに挑戦されている方もいらっしゃるようで。どんどん盛り上がってほしい。やっぱり自分で作った楽器で弾く曲ほど熱いものはないと思います。





有名ウクレレプレイヤーも作ってますね。

初めての場合、どんな道具が必要か分からないから想像でホームセンターや百均の工具コーナーに行って用意するわけですがそれも一度作った後で実際要るものと要らないもの、もっと違ったやり方を考案したり。そんなこんなも全部含めて自分で作る楽器とは楽しいものです。でも不思議なもので何十台も製作していくと、最初の頃に何もわからずにただがむしゃらに作っていた頃の楽器がやたらと良く鳴り響いていて、一通り楽器作りを習得したはずの後年になって以降どうやっても鳴らなくなってしまう時期がやってきたりします。 良かれと思って工夫したつもりが複雑な要因が絡み合って気難しいウクレレになってしまった経験とか。初期の頃って色んな事を参考にしつつ基本に徹して作るしかないじゃないですか。結果的にそれが一番なんだろうと今は思います。回りくどく言えばウクレレを鳴らすために必要な分だけの構造物を作る、つまり余計なブレイスや板厚を削ぎ落とす。一言でまとめるとやはり基本通り作ること。でもわかっちゃいるけど色気付いて色んなこと試してみたりしちゃいましたが。

 

 





例えばネックとボディのジョイント工程ではストレートに、まっ平に継ぐのが基本です。これは当たり前なんですがボディトップの剛性を考慮する必要があったりします。あ、うちの工房ではネックシェイプは指板貼ったあとなんでこの時点ではエラあります。

 





ストレートガイドとボディ後方トップ面のわずかな隙間が見えますでしょうか。サウンドホールあたりまでは隙間なしですが、それより先はわずかにエンド方向に向かってスラントしていきます。この写真のウクレレのトップは北米杉。シダーはとても柔らかいので弦を張った状態になると表板が引っ張り上げられてブリッジが少し持ち上がる。ブリッジ手前はその分だけコンマ5ミリほど引っ込む。その持ち上がる分を考慮してボディエンドに向けてスラントさせているわけです。こういう小技はセオリープラス失敗から学んできたことの部類に入るかと思います。端から端までまっ平に作ると長い目で見て弦高が高くなってプレイアビリティに影響していきますので。

 

 

 

「散歩まだかい?…この端材、いいかげん噛むとこもなくなっちまったよ」

 

 

最初のころは誰かを手本にしてどんどん作るだけで存分に楽しい。そのうちブレイスパターンを変えてみたり色んな材で挑戦したりして「鳴らない」経験を積む。たぶんそういう時期を何度か乗り越えた先に外しちゃいけないことと、やる必要のないことが頭と手先で整理されて上達していくんでしょうね。早く僕もそこまでいってみたい。ただね、不思議なことに。たとえ同じ木材、同じ設計で作ったとしても作り手次第で音が違う。つまり同じキットで作っても十人十色の音になる。そりゃそうだろうと言われそうです。いや、面白いのはそこから先。逆に一人の製作者が違う材、違う設計で何台か作ったとしてもなぜか俯瞰してみるとその人の音になっている。だから何となくこれはあの人が作った楽器だろうことは分かるもんでして。あ、話が脱線しつつある。この辺にしておきますね。

 

 

 

あ、そうそう。最近携帯が逝かれました。現在通話が出来ない状態ですがWi-Fiでネットだけは繋がるのでEメールもしくはインスタグラムのDM及びLINEで連絡できます。お手数かけて申し訳ありませんがよろしくお願いします。

愛知県半田市からのオーダーモダンソプラノ、木工完了!