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実験機

「これまでの製作歴の中で試したことのない事を試す」


バックオーダー溜まりっぱなしの最中でそんなことやってる暇は本来ないんですがどこかのタイミングでやらなきゃいつまで経っても出来ないと思い、ついに実験に取り掛かることにしました。お待たせしている皆様には心苦しいのですがさらなる改良のためと思い、どうかご寛仁のほどを宜しくお願い致します。


何を試すのかと言うと、一言で言ってしまえばギリギリまで無駄な堅牢さを削ぎ落とす実験です。サイドバックは個人にせよお店にせよ1.8ミリ厚前後、トップで1.9ミリ厚前後。ブレイシングは二パターン。5ミリ高のもの一本、もしくは4ミリ高を一本とその両側に3ミリ高の計三本扇型。サウンドホール上、つまり指板直下にくるバーブレイシングはフレット打ちに耐えるため幅8ミリ高さ6ミリの剛性をもたせたサイズ。


これらの構造はボディの剛性を持たせるために若干の余裕を持たせてます。本当ならもう一声落とし込める数値。鳴らすためならブリッジ周りが張力で歪むくらいが良いとさえ本心では考えてます。でもそれを新品からお店に卸すのは見た目が宜しくない。


そこを実験機で試したいと思います。

僕自身が欲しい音。それはまずある程度の音圧。それと音像の輪郭の明瞭さ。その上で音色に甘い艶があること。アコースティック楽器は後からいくらでもイコライジングできる電気楽器と違って製作者が製作段階で音作りをしていかなくちゃいけません。列挙したようなサウンドを狙っていくと器(サイドバック)はアフリカンマホガニーにしたい。ホンマホじゃなく。中域にピークが出やすいホンマホは良質なアフリカンほど低音に幅がない。木材のランクとしては依然としてホンマホが上だけど僕個人の経験から鑑みるとアフリカンマホガニーの方がサウンドは豊潤であることは間違いない。だからそちらをチョイス。

トップにはこれ。虫喰いや挿木跡が残って商売道具としては使えないコア。実験機ならOK。コアの平均比重は0.8から0.9。アフリカンマホガニーは0.6から0.7。つまり中域から下に音の幅を持たせた器に高域に偏重している膜を張る。でもローG弦がスプルースみたいにパキッとした鳴り方じゃなく柔らかい鳴り方になる傾向があるコアに期待。この膜の補強はなるべく脆弱にする。3から4ミリ高のブレイシング一本のみでブリッジ周りの厚みは1.6ミリあたりを狙いたい。


気持ちの良い鳴り方をするウクレレに共通する条件の一つに、軽さがある。手にとってまず「軽い」と感じるウクレレに鳴らない個体はない。


どうなることやら。

先日奥飛騨温泉郷の玄関口、平湯に行ってソロキャンプして参りました。タープ泊といってテントなどは使いません。写真に写ってる道具で以上です。晩飯食べて焚火して背後のコットで寝て朝起きてまた焚火する…。誰の縛りもないから食べたいものを自分の気分次第で決めて、時間が空いたときに夕方から翌朝までささっと行ってこれる自由さがソロの魅力です。

 

 

 

年々キャンプブームは加熱しているようで夜中0度近くなる季節にも関わらず結構な数のキャンパーがみえました。数年前と明らかに違うのはソロキャンパーの数。特に今年は急に増えたように感じます。芸人さんがソロキャンプ動画をアップするようになった影響かな。オンシーズンのグループキャンパーと違って秋冬のソロキャンパーは概して根っからのキャンプ好きが多いのでマナーもとても良い。ゴミ捨て場があっても持ち帰るし、水は使う分を持参が当たり前。汚れたカトラリーはキッチンペーパーで拭き取るから洗い場は必要なし。真夏によく見かける清流で洗剤使って皿洗いなんて絶対タブーです…。


もう奥飛騨の山々は冬の装いです。