
今朝、夢を見ました。

大学四年のとき、サークルの長屋部室は全て取り壊されて真新しい丸いコンクリートの建物に変わりました。
確か僕らの新しい部室は3階か4階だったように思います。そこで御園(みその)君という仲間がいました。彼は盲導犬のラブラドールといつも一緒。全盲でした。
週に何度かサークルにやってきて一緒にスピッツや山崎まさよし、スガシカオを弾き語ってました。とても楽しかった…。彼は朗らかでいつでも暖かい男。当時は何の疑問も違和感もなく一緒に歌っていましたが、そういえば彼はどうやってギターを覚えたんだろう。譜面が見えなくても音は聴いて探して弾いていると言っていたし歌詞も聴いて覚えるんだと言ってました。まるで大隈重信のように文字は書かずに全部聞いて覚えて口で伝える。コードを弾くのはある程度はポジションの形で覚えていくんだろうけど驚いたのは即興演奏で間奏をアドリブで弾けたことでした。半音ともズレることなくこちらの伴奏に合わせて曲調に合ったメロディをすらすらと紡いでいくんです。何だか音楽の神様が目の前にいるように思えました。御園君の目には光は見えていなくても心の光で紡ぐ音が多彩な輝きを放って僕の目の前で踊っているように見えました。そのときの口元は柔らかく微笑んでたこともはっきりと記憶しています。ほんとに楽しかった。傍にはラブラドールが心地良さ気に居眠りして控えていました。
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サークルの備品で一番弾きにくいギターを弾いている御園君に自分のギブソンを貸してあげると、「お、凄く良い音だね」と喜んでくれました。ゆずやミスチル、いろいろ弾いているうちに一人、また一人と御園君の周りにはたくさんの部の仲間が集まってくる。みんな彼の音楽が好きだった。
