· 

Making of LL(luxury long)

工房のフラッグシップ機になる予定のLL。絶賛アバロン埋め作業中です。12フレットジョイント、410ミリ。果たしてどんなサウンドになるのか今からもう楽しみです。緑馬蹄ロゼッタを挟み込むアバロンが二巻。パフリングに一巻。合わせて三巻。これは贅沢。音も装飾もまさにラグジュアリー。ハワイアンシダーウッドやコアトップにしてさらに贅沢にしたら…それも面白いかも知れないなんて作りながら妄想しちゃってます。
 
 
 
 

これもLL。こっちは赤馬蹄のシングルアバロン。モールド待ち。

2月のキャンプ写真です。今年はまだ2回しかソロキャン行けてませんが忙しい事は幸せなことです。


平成から令和へ。昭和生まれは3つの元号を生きることになりましたね。平成始まった頃に17.6%あった日本の対世界GDPは三十年経って6%台。世界第三位の経済大国と囃し立てるコメンテーターの言葉もどこかチグハグな印象を受けます。イケイケのバブル世代から変わって今団塊ジュニア以降の世代はカネよりヒト、モノからコトへの関心がつよい傾向になっていると新聞で読みました。そりゃとても良い事じゃないですか。僕も団塊ジュニアとして同じ想いです。カネは使えばなくなるけど貴重な経験や苦労して得た知識は一生の財産。令和日本を生き抜くこれからの世代はカネやモノじゃない「人」「体験」を通して心を豊かにしていくことで厳しい時代を楽しく過ごす工夫を積極的にしていく努力が大事になりますよね。年金は恐らく僕ら世代は75歳から…それもかなり減額されてるでしょうし。そんな来たるべき近未来を見据えての僕の今年の目標はズバリ「読譜できるようになること」です。これが中々難しい。ピアノなら見たまんまじゃないですか。左に行けば音程下がるし右に行けば上がる。ウクレレって同じ音がいくつかあってしかも2オクターブちょっとしかないので範囲外の音域はオクターブディスプレイスメントして考えて置き換えなくちゃいけない訳です。タブ譜って便利だけど知識的には殆ど収穫ないじゃないですか。作譜した方が五線譜に沿って一つの弾き順を書いたに過ぎないわけで。面倒だけど五線譜で音の流れを視覚的に追って自分の頭で指板に置き換えて弾く訓練をしないとやっぱり駄目かなと思って読譜を始めたばっかりです。指板上の音はやっと半分くらいは覚えました。それを覚えないと始まらないので…。それともう一つ。親指爪を使ってオルタネイトで弾く訓練も始めました。ダウンピッキングしかしてこなかったのでこれまた難しい。裏の跳ねたノリはやっぱりアップピッキングの方が出る気がするんですよ。勘違いかも知れないけど。オルタネイトピッキングに苦戦してから改めてアピラクの動画を見て驚きました。彼、オルタネイト奏法やってますね…。ダウンの二倍の音数を入れることができるから親指一本であそこまで表現出来てる訳です。トップページの動画、良かったら見て下さい。彼の右手親指の動き。コードをサッと弾くときの位置やメロディをオルタネイトであっという間に入れるテクニック。安定したテンポ感。アピラクおそるべし。地道に音楽知識を勉強していくと結構製作に反映されるんですよ。例えば指板上の音の位置を知ると一番下のC音(ローG5フレット)から2オクターブ上のC音(1弦15フレット)までC△7のコードトーンを軸にメジャースケールを弾くとしてその通り道がいくつもイメージできるじゃないですか。そこまで知って初めて本当の意味で使える音の大切さというか、つまり5フレットから先のハイポジションまでの音の粒を揃えることがこれまでより大事に考えられるようになったりしました。ウクレレのハイポジションの音粒を本気で揃えるのってかなり大変です。でもちゃんと五線譜弾こうと思ったらそこが一番肝心なポジションですよね。今後はこれまで以上にハイポジションにこだわっていこうと思ってます。世界には沢山のウクレレビルダーがいます。トップの方々に木工技術では遠く及ばない。ならばとことんユーザビリティを追求することが僕が生き残っていく唯一の道だと思ってます。直感的に「あ、こりゃ弾きやすいし使えるウクレレだ!」と感じるものを作るためには自分が同じ立場かそれ以上に努力しなきゃいけない。だから毎日三十分だけでも音楽の基礎や指板の音、コード、スケール、アプローチをちびちびと勉強する習慣は続けていこうと思います。弾き易いウクレレを作るために必要なことで今時点で理解しているのは至極当たり前なことでしかないんですが。
 
 
「真面目に作る」
 
 
この一言に尽きると思います。「何じゃそりゃ、当たり前やろ」ですよね。でも本当にこの一言に尽きるんです。真っ直ぐ作るところを真っ直ぐに。一つのフレットには4つずつ音のポジションがあってそれを一個ずつ大切に仕上げて行くこと。コンマ1ミリの緊張感を持って製作に打ち込むこと。
 
 
一日中、一年中製作に没頭してるとやっぱり油断は出てきます。井の中の蛙だってことも常に意識して。全部ひっくるめて真面目に作れよって自戒の言葉みたいなものかも知れません。
 

パフリング(ボディ外周飾り)一周で2ミリから5ミリのアバロン貝が152個。直線だったり微妙にRが付いていたりして順番通りに埋めていきます。そこそこ根気の要る作業ではあります。

 

 

マホガニーをこよなく愛する男が作った贅沢仕様のセミテナー。次はネック製作です。今日はこの辺で失礼します。