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ロットを減らして作る

 

ホワイトバランス「電球」、露出+0.3で撮った昨日の朝の写真。窓から朝陽の差し込んでくる時間帯が一番好きな工房の風景です。それをWB日陰で撮るか電球で撮るかの二択になるんですがその日の気分で暖かくも冷たくもなる。電球にして露出を暗めに振ってさらに冷たくしたりして。写真て撮る人間の気分を反映したりして面白いですよね…。

 

 

昨日の夕方に新しい型枠が二つ完成しました。さらに側板のテンプレートも昔の厚みに作り直しました。これで改良モデルの製作道具が揃いました。今後は344,360,381,396ミリの4スケールを主軸に製作して行こうと思ってます。このうち344&381は12フレット、360&396は14フレットジョイントを採用します。前者は音圧重視、つまり生音で弾いたときの満足感を追求。後者はバランス重視、電化したときの扱い易さを追求したモデルに分かれます。過去に積み上げてきた経験からそう分けるのがユーザーにとって分かりやすいと判断しました。音で選ぶ。使い道で選ぶ。
一度に作る本数をロットといいますが今までは同時に4・5本程度を作ってきました。そうするとたまにお店に出せないようなショボいものが出来てお蔵入りする…てなことが何度もありました。今年なんか一番多い5本のお蔵入りです。額にして数十万。同じように作って塗装をきちんとして弦まで張ったときに落胆する。とてもじゃないけど世間には出せない。
そんなことが5回。背に腹は…と言ってそれを納めてしまって、初めてウクレレを買う方がそれを知らずに作った本人が失敗作と踏んだものを購入するなんてことは断じて許されない。それをやったら職人引退です。「泣いて馬謖を切る」とは少し意味が違うけどそれぐらいの腹積もりでやってます。とは言え今までもこれからも自分の力不足で巨匠レベルと比べたらカスみたいなものがいくらでもあることは事実です。セイレンの信治さんや鷲見さんのような巨匠から見たら何やってんだかと思われることだらけだと思います。
師匠について学ぶ機会がなかった私にとって失敗経験のみが道を示してくれます。迷ったら「自分で決めているハードルより下は絶対にくぐらない」ということにしてます。楽器製作を一人でやっているとわからないことばかり。細かな技術的なことは別として大きな方針の判断基準は正しいか間違っているかではなくて熱いか寒いかです。自分にとって熱いと感じる方へ進む。そうやって苦心してやっとお店に収めたウクレレの良し悪しは最終的にはユーザーの厳しい目による判断に委ねるのみです。
失敗作が発生する理由。たぶん自分の実力以上の本数を一回に作り過ぎてるんじゃないかと思いました。収入は減るけど本数を絞って一ロットごとに集中して取り組むべきじゃないかと。2本でもいい。その方が熱いものが出来る。ちょっとしばらくはそのスタンスでいこうかと思います。