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求音活動

まず話を切り出す前に御礼を申し上げます。

本日東京からお越しのK様。今日はありがとうございました。お持ちの真っ白なコリングスウクレレに目の覚める思いが致しました。そのウクレレは一生物です。生涯大切に弾き続けて下さい。

やはり弾き込まれているウクレレは鳴り方が違うなとまず感じました。ウクレレのポテンシャルの高さもさることながらそれを最大限に引き出すのはやっぱり弾き手の愛情だと改めて感じました。ウクレレと相思相愛の関係まで至っている。これは最高の関係です。今後の製作活動において大事な事を思い出させて頂きました。ありがとうございました。






では今日のブログは製作者の内側について赤裸々に語ろうかと思います。


昨年から唸るような…心から納得の行く出来のウクレレが作れなくなっています。普通のウクレレでしかないような。


まあそうそう何本も極上の一本が出来上がることは今まで12年もウクレレ作ってきたうちの数パーセントくらいでしかないわけですがそれでも年に一本か二本はそういったものが出来ていたわけです。それがここ二年以上一度もない。


スランプとまでは言わないけども長い長いトンネルから抜け出せないような心持ちです。何が問題なのかを考え続けています。リニューアルを繰り返しながら。



昔の方が良いモノを作っていた。それを認めたくない。でも認めたところから始まる。あがいて、あがいて。もがいてます。
 
 
 
かっこつけてうちのウクレレは最高ですなんてまず言える状態じゃない。材の厚みなのか。ブレイスの配置なのか。皮肉にも見た目だけは良くなった。

そこじゃないし。そこはむしろ二の次で。
 

この二年間は音よりも寧ろ操作性の向上を主眼に改善を繰り返して来ました。そこがいけなかったんじゃないか。


私にオーダーして下さる方々は間違いなく音を探してうちに辿り着いている。その期待を裏切っちゃいけない。
 
 琴線に触れるウクレレを作ることが最大のテーマで、そこが間違いなく自分がウクレレを作る目的だったはず。自分が心から納得できてないということは間違いなく、操作性ばかり追いかけてしまった結果として琴線からは遠ざかっている。



至ってシンプルなことをシンプルに仕上げることほど難しいものはない…でもそれが一番いい。琴線に触れ得るウクレレは余計な考えを排除した純度の高い工程の中で初めて生まれる。それはわかっていてもなかなか出来ない。
 
 
 
 
 

ただ、ずっと頭の片隅に引っかかっていた事があったことは確かで。



ある一つの重要なパーツ。
ここがずっとネックで、未解決のままだった。

写真で手に持っている…ナット、じゃなくて実はその手前のフレットです。海外のフレットも色々と試しました。しかし総じて海外のフレットは硬い。鉄弦ならきっと相性がいい。ウクレレには少々バランスが良くない。


自分にとっての理想的なフレットの幅は1.5から1.7ミリ。そして国産フレットの柔らかさ。これだ。これがずっと欲しかった。

あとは、ペグの組み合わせの問題。

明らかに1弦のテンションだけは下げた方がいい。その二点が今具体的に見えている打開策。


動かねば。何も変わらない。

今は苦しい。

ドラマは起承転結。差し詰め今は「承」あたりなのだろうか。
スランプ2年目。物語は続くのです・・。