弾き易さを作るには

「それまで手にしてきたウクレレとは明らかに弾き易さの点で違いを感じる」と多くのユーザーさん達からの感想を頂いて来ました。私が一番拘ってきたところだけに、とても嬉しい感想です。弾き易さって何だろう。その疑問と課題にずっと向き合い続けて来ました。いくつもの条件がバランス良く噛み合ったとき、そのウクレレはとても弾き易いものになります。一番大事なファクターは弦の張り具合です。つまりテンションのかけ方、ヘッド角の具合やナットの切れ込み具合、サドルの弦の立ち上がり角の具合。ここをどうもって行くかで同じウクレレが良くも悪くも化けます。他にもホールドし易いボディか、とか左手の操作性、安定感があるネックかどうかなど色々とチェック項目があります。その辺の仕上げ具合が結果的に弾き易さと膨よかな音色になるためにとても重要です。この点は厳しいハードルを自らに課した上で絶対の自信を持ってお店に卸しています。直接お店に行って弾いて買える方ばかりではないと思います。そこらへんの信用は一本ずつ丁寧に仕上げて全国的な信用を積み上げて行くしかありませんが、まだまだ五年目ではそれが圧倒的に数が足りません。より広く、うちのウクレレが弾き易いことを認知してもらうための方法は一つしかありません。雑誌やメディアに露出して知名度を上げることもあるかも知れませんが、それには私は懐疑的です。それよりも実際に実機を弾いてもらうこと。これに尽きると思います。知名度なんかどうでもいい。自己目標を完遂することを唯一の目標としているので、有名になることに全く興味ありません。現実としてユーザーを地道に増やしていくこと。一人のユーザーさんが情報を発信してもらうことで新たなユーザーさんが生まれること。地道なことの積み重ねしかないと思ってます。そのためにはやっぱりベーシックだろうとカスタムだろうとキッチリ作って信用を積み上げて行く以外に道はないんだろうと思ってます。今一番自分の理想に近いウクレレはマーチンのemployeeモデル。戦前の職工が自分のためにこしらえたウクレレ。まさに自分のために弾き易く趣向をこらした一点物かつマーチン職工による確かな技術による芸術品とも言える無駄のない美学。押し付ける美学じゃなくて無駄のない美学。あれを目指したい。努力あるのみ。