冬の楽器管理について

毎年のこの時季になるとこんな記事を書いていますが…冬季の楽器管理には充分に気をつけて下さいね。以下にやってはいけないことを二つほど。
①冬の寒く乾燥した晴れた日の外での演奏
②移動に伴う急な温度変化の無視
①について
冬の晴れた日の湿度は20%以下になることもあります。手が乾燥してヒビ荒れするような環境は裸同然の楽器にとっても厳しい環境です。南国育ちの木材が多用されているウクレレはとくに冬には弱い。天気が良いからと言って寒空の下での演奏は控えて下さい。湿度計を持っている方はぜひ晴れた日の外の気温や湿度を計測してみて下さい。如何に過酷か判ります。
特に指板は塗装が施されていない、木部丸裸ですので注意が必要です。乾燥に最も敏感な部位がネックですが、常に指板はネックに大きな影響を及ぼしています。指板が反ればネックも反ります。必ずレモンオイルやオレンジオイル、ハニーワックスなどで保護しておいて下さい。
②について
こちらの方が盲点かつ、冬の故障の原因に多い。たとえばお家から演奏する会場まで移動するとき、家の室温⇨外気温⇨会場の室温と目まぐるしく環境が変化します。それは良いとして、ここでの注意すべき点は勿論「移動した先でいきなりケースを開けないこと」です。ある程度時間を置いて室温に近い状態になったらゆっくり取り出します。ケースに触れてまだひんやりしているならば、しばらく置いておきましょう。車で移動する場合ならばそこまでの温度変化はないですが都市での徒歩や交通機関を利用した移動の場合は注意が必要です。
日本は夏に40度、湿度は80%近くまで上がり、冬は正反対のところまで変化する楽器にとってお世辞にも良い環境とは言えない国です。ヨーロッパや米国西海岸のような年間を通じて温暖な気候ならそんなこと考える必要もないですが日本の楽器はそこをきちんと見越して扱う必要が常にあるので世界の中でも大変な位置にいることは明らかです。環境ばっかりは作り手と使い手の双方が互いに注意して乗り越えて行くしかありませんね。

出荷するウクレレの指板にはこのハワードのビーズワックスを添付しています。このワックスはオレンジオイルやレモンオイルよりも保湿期間が長く、ローズウッドやエボニーなどとも馴染みが良いので重宝しています。使い方は簡単。弦を張る前に指板を乾いた布切れで軽く拭き掃除をします。布切れ(ホームセンターで安く売っているウエスがオススメ、または使わなくなったTシャツでも可)を使って指板にタップリと塗り込んでしばらく置いておきます。20〜30分経過したら乾いたウエスできれいに拭き取ります。これで指板のケア完了です。ぜひやってみて下さいね。