軌跡



会社員時代の年収の半分にようやく追いついた4年目。でも間違いなく自分の道を歩いている実感はその頃までとは大きく変わりました。夢、と題すると将来もっとこうなりたいという絵図を語るものかと思います。楽器職人になることが夢だった私にはもう現実です。実際に自分が作った楽器が国内、世界に羽ばたいて愛用されています。これ以上に幸せなことはありません。楽器は激変する社会の中にあって悠久に残り続けるものです。それを丹念に製作して他者に喜んで貰える。年収はきっと後から少しずつ結果として付いてくる、最初の5年間は我慢と考えています。10年経って会社員時代のそれに追いつければ良いと思います。新しいモデルを作るごとに、一本一本丹念に仕上げて行くごとに少しずつ成長して行くことが現実的な課題です。



34歳で転職し、今38。3年と4ヶ月が経過したわけですが今まで製作してきた楽器を振り返り私自身は全力で挑んできたと思っています。44歳で会社員時代に追いついてその後は実力次第。長いスパンの目標はそのようなところですが一番大事なのは常に、目下製作中の目の前の一本一本を良いものに仕上げること。私の製作するウクレレが今、当代の最前線で活躍している名工と並んで売って頂いていることだけでも身に余る光栄です。職人仕事はマリオカートのような感覚に似ています。タイムレコードを出したときのゴーストがいつも目の前にいて、どういう軌跡で行ったのかを考えて走っているかのような…あれです。常に勝負すべき相手はベストレコードの自分自身。今年も時節の流れは速いものですでに5月。中盤も一本入魂で製作して参ります!