
私が最も愛する木材、マホガニー。素朴であってゴージャス。マイルドであって時にダーク。人懐こくて時に孤独な音。夢の中にいるような響き。そんなに人生悪いもんじゃないよと囁くような優しい旋律。「そんなに焦ることないよ、明日やればいいじゃん…。とりあえず今夜は少し弾いて寝なよ」的な柔軟な存在。

マホガニー。実はものすごく個体差が激しい。基本的にホンジュラスマホガニーしか使いません。年代やホンジュラスのどこなのかにもよるんだと思いますが色味や硬さが全く違います。単に古ければいいわけでもないようです。最近はマホガニーのフリッチ材(長い角材)を買い付けるときに表面を見て筋の入り方や逆目を見て自分好みのものを見出せるようになって来ました。さらに会得した技術としてオールマホガニーボディを作るにしてもトップとサイドバックで違う年代のマホガニーを組み合わせたりしています。年代の違いによる硬さを利用して適所に使うと良い結果が得やすいことに気がついて始めたやり方です。ローレンジをふくよかにしたいならばより柔らかい個体をサイドバックに使います。

タイトな音にしたいならばより古い材か杢の入ったものを使います。その両方を合わせることもありました。マホガニー一つでも色んなサウンドメイクがあることに気がついたのはとても有意義な発見でした。得意な材と言うからにはそれなりに手数を持ちたいな…と常々考えて来ましたがここ1年くらいで徐々に知識も身に付いて来たように思います。写真は東京から頂いたスタイル6Mのホンジュラスマホガニーです。やはりこれもトップバックで硬さを変えています。ウクレレ作りの一番爽快なことはその小ささゆえに一つの工夫が何倍もの違いをもたらすことにあります。だからどんどんと試したくなる。失敗を恐れない…とは少しニュアンスが違いますが自分がとことん納得したものだけを世に贈りたい一念がいつも製作の根底にあります。
●今まで製作してきたマホガニーウクレレの中でも印象深いものを並べてみました


南国モチーフを飾り付けたスタイル7。普通ならハワイアンコアを使いたくなるモチーフでしたがオーナーさんの希望によりマホガニーを使用。モチーフの柔らかい印象に合わせて中庸材をボディに使いました。ハワイアンコアとは一味違った暖かく凜としたサウンド。

Style-6M concert

Style-4M concert custom

Style-7M soprano-long

Style-7M premium "Raijin"

Style-4M soprano

Style-9M tenor

Style-6M concert custom
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高村 幸彦 (月曜日, 19 9月 2016 06:53)
可児市の高村です。ウクレレ初心者です個人レッスンお願い出来ますか 料金が知りたいです 希望日は毎週土曜日か曜日です 08015736645
Ancestor's Ukulele 坂井 (月曜日, 19 9月 2016 07:18)
一回2000円(だいたい1時間ほど)でゆるいレッスンとも言えないような個人レッスンは行っております。内容はいつも決まっていません。皆さん弾きたい曲の譜面をお持ちになり、それを適当に弾いています。土曜日の午後2時ごろでしたら空いております。