追憶

私にオーダーして下さる方々は50代、次に60代の方が多くを占めています。言わば自分の親世代を相手に仕事をさせて頂いているわけですが、最初はたまたまそうなっているだけかなと思っていました。でも4年経ってその傾向は益々顕著になっています。若輩者が人生の先輩方を評するのは生意気ですが今までオーダー頂いた方々皆、温和で人間が出来ている印象がありいつも暖かく見守って下さる。実物を手にしたはずのない私のウクレレに全幅の信頼を持って製作を依頼して下さることに(もしも自分が逆の立場だったらそうは出来ないと思います)人間の大きさを感じることばかりです。色んな音楽的な経験や長い人生経験が実物を見なくてもそれらを通じて物の良し悪しを判別出来るんだと想像しております。
子を持って親を知るとはほんとだなとつくづく思うこの頃です。今私は38ですがはっきり言って人間が出来ているとは到底思っていません。親の世代ならば当時は20代半ばで人の親になることが多かったわけですからもっと未熟だったと思います。社会の中で何とか生活していきながらほんとに大丈夫かと思いながらも我が子を必死で育て上げることの大変さ。叱ると怒るのは違うことを知ったり、忙しい朝に登園の準備がなかなか上手くいかないのを手を貸さずに自分で出来るまで10分でも20分でも待つ忍耐を知ったり。いろいろと子に育てられてるなと痛感しています。仕事が上手く行かないときも子どもの笑顔に元気をもらえる。自営業の利点を活かして出来る限り一緒の時間を過ごしてあげたいと思います。
もっと大きくなったらなったで色んな山場があるかと思います。人生の先輩方はそんなたくさんの山場を乗り越えて来たんだと思うと深く付き合ったわけではない60代のオーダー主さんの声に暖かいものを感じるようになりました。私の父は多忙な中でもよく遊んでくれた記憶に溢れています。幼少期の親子の思い出は一生の宝。無力ながらも出来る限りの愛情を持って娘らの成長に寄り添って行こうと思います。