ソプラノ再考

初期のソプラノモデル、SK。ベルシェイプはアマチュア時代のコンサートモデルからの流れを汲んだものでした。SKは胴厚が薄く材厚も2.6㎜近くあり、ソプラノとしてはかなりオーバービルドであったと振り返ります。重量が増せば高く澄んだ音色が出やすい反面、3弦C音辺りの音量が激減します。所謂、堅い音になります。そこでモデルチェンジをしたのが現行スタイル4ソプラノです。王道を学び直しました。薄く軽く作る。小さな箱というのは不思議なもので3弦の音量がしっかり出せれば全体の音像はかなり厚いものとなる傾向があります。C音を効率良く鳴らすためにはある程度の胴厚が必要なことも分かりました。ウクレレの低い音を深めの胴でマイルドに鳴らした中で高く明瞭な音が混じるのが理想です。今年はソプラノの理想にやや近づいて来たことを実感しています。
マーティンソプラノはブレイスが一本もないですが私は今のところセンターに一本だけ5ミリ高のブレイスを入れています。
ブレイスを持たないビンテージマーティンが壊れることなく(またはリペアを経て)現存していることが驚きに値すると言われますがそれは違うと思います。「壊れてこなかった(またはリペアされて来た)から現存してきた」ものを我々が目にしているわけで、やはり経年変化に耐え切れずに使用不能となったソプラノも数多くあったわけです。ギターとは違い、限界まで薄く作られたソプラノはやはり諸刃の剣。一本だけでもブレイスがあった方が長年にわたって使えるものと今は思います。今年製作したソプラノは一様に良い結果を示しています。狙い通り軽くファットな鳴りに仕上がっています。前にも書きましたがソプラノは最も驚きに満ちたウクレレです。ウクレレというのは不思議なもので音量がサイズに比例しません。
テナーのボディが大きいからソプラノよりも余程音が大きいものと思われがちです。しかし現実としてその反対の現象が多く存在します。むしろ楽器の性格としてテナーはローからハイまで均整のとれたギターに近い弾き味になり、ソプラノは「出るところは物凄く出る」まさにウクレレという感があります。それを魅力と取るか欠点と取るかは弾き手の判断によりますが私は好きです。