多湿

23時半前の時点で工房湿度は70%。蒸し暑いです。工房にエアコンがあることはありますがよほどのことがない限り使いません。急激な温度や湿度の変化によるダメージから木材を守るためです。日本で作って日本で使う楽器ならばどんな季節であっても自然のままの環境で製作するのがベストであることをヤイリギターに教わりました。製作者が暑かろうが寒かろうが季節や環境に逆らわないこと。加湿器や除湿機もあるにはありますがやはり常用はしていません。過保護な状況下で製作しても結局、過酷な環境下で楽器として長いことやっていかなければいけません。スパルタで育てて送り出します。この多湿な時期のウクレレのボディは膨張気味になります。弦高は気がつかない程度にやや高くなりハイポジションの音程が取りにくくなる傾向を弾いていて実感しています。
それくらいの方が良いと思います。冬になれば基準に戻ります。経験上、冬に照準を合わせて作るのがベストです。夏季に弦高を下げ過ぎれば冬季にビビります。夏季にある程度弾きやすいならば冬季は普通に弾きやすいものになることを意識して作っています。ウクレレは木で出来ているので一年中微妙に動いています。私は演奏の中でハーモニクスを多用します。オクターブの繊細なズレ方が季節ごとに変わることに気づきました。湿度は演奏の関係においても重要なファクターです。湿度によって生じる事柄を頭に入れてライブをする必要があるとも言えます。木材以上に弦は湿度や温度の変化に敏感です。そこを気にしたくないのであればフロロカーボン弦を張ることをお勧めします。フロロカーボンはもとは釣り糸の要領。水中に於いても状態が安定しやすいことが最大のメリット。湿度の変化に最も強く音程の安定を期待出来ます。
と言いながらも私個人の好みはダダリオJ71のメロウな音です。フロロカーボンの煌びやかな音も捨てがたいですが…。となるとやはり湿度と睨めっこしながら演奏しています。具体的には弾いている最中でもチューニングの微妙なズレに対して常に注意しておくことです。一曲ごとにウエスで弦を吹き上げています。当然、弾き手の汗も水分に他なりません。左手の指先の汗も曲ごとに拭き取る方がベターです。…湿度をテーマに製作、演奏のお話でした。

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コメント: 2
  • #1

    なつね (火曜日, 21 7月 2015 12:45)

    そーなんですよ。フロロカーボンは吸湿しないけど、音が好みじゃないんです。キンキンする・・・・

    弦はいろいろ悩みます・・・・特にローGの場合。

    巻弦だと音質が変わるし、フロロカーボンのローG弦は、弦長が十分にないとテンションが弱くて音量が少なくなります。(ソプラノロングネック弾いてます)

    でも、恵比寿でAncester'sさんのmiddleを試奏したとき、なぜか違和感がありませんでした。ふしぎふしぎ・・・・なにか秘密があるのですか?

  • #2

    坂井 (火曜日, 21 7月 2015 13:40)

    なつねさんお久しぶりです^_^
    コメントありがとうございました。ローG弦の選択には皆さんご苦労なさっておられるようです。仰る通り、巻き弦と他の弦との音質の馴染みが難しく色んなパターンを試しておられるかと思います。そして正解がありません。完全に好みの分かれるテーマです。スタイル7に違和感を感じなかったというのは恐らくなつねさんと私の求める音質が近いだけだと思います。私のローGウクレレはギターライクな要素を追求しています。音域を広げる目的というよりはむしろローG音の渋い響きを利用して低音の厚みを活かして参りたいと考えております。製作者本人がローGの弾き手であるがゆえにローGウクレレに対する拘りは強いと思います^_^