きっかけ

ウクレレを作り始めたきっかけは10年前。名古屋の楽器製作学校の卒業製作でした。2年間の製作課程の最後の作品は何を作っても良く、自由でした。各々、自分の好きなタイプのギターやベースを製作します。トリプルOだったりOMだったりクラシックギターだったり、ジャズベースだったりワーウィックだったり…。その中でただ一人私だけがウクレレを作りました。小さいから簡単だろうという今から思えば途方も無い勘違いの発想で作り始めたウクレレ。出来上がったのはお土産もの以下の、楽器と言うには及ばない代物でした。卒業製作で刻まれた凄まじいリベンジ魂が卒業後のウクレレ作りを続けて行った原点だったのかも知れません。卒業だというのに土産物以下のものを作ってしまったこと。
作ってみて分かったウクレレ作りの難しさと楽しさ。アコースティックギター一辺倒だったそれまでの人生が変わった卒業製作。ギターより一回りも材厚が薄く、くびれがきついウクレレ。卒業記念に名古屋伏見にあるヤマハ楽器でナカニシのコンサートを購入して初めてウクレレをきちんと弾いてみました。ギターしか弾いたことがなかった私にとってウクレレのコードは斬新でした。これでFなんかぃ…。2本弦が足らんやん…。テンションコードはどうするん…。ウクレレに慣れ始めた頃に初めてオーサタンの演奏をDVDで見たときは衝撃でした。こんな小さな楽器でここまで出来るなんて!それからオーサタンのCDを片っぱしから購入して聴きまくりました。オーサタンを通してボサノバやジャズを知りました。
そこからトム・ジョビンをたくさん聴き、ジャズスタンダードナンバーをたくさん聴きました。そして何よりマーティンウクレレの素晴らしさを知りました。いつかマーティンのような素晴らしいウクレレを作ってみたい。そしてマーティンを超える新しいウクレレを作ってみたい。その想いはウクレレの形を変えながらも後々ずっと燃え続けることになります。ウクレレを作り始めたころのお話でした。