セッティングの難しさ

最終的なウクレレのセッティングをどう持って行くか。「こうしたい」ために木工の各段階でどのように組み上げて行くかという逆算で作っていくわけですが、未だに難しい。昨年何回かセッティングについての話を鹿児島のジュンタラさんと語り合いました。何が難しいのか。それはテンションの配分です。レギュラーチューニングの調弦において最も弦荷重が大きいのは1弦A音。つまり最も張りがキツい弦。ウクレレの弦長において最も余裕を持って綺麗に鳴ってくれる調弦の限界は恐らくG音あたりまででしょう。それよりも1音高いA音は最初から豊かに鳴るテンション上限を超えているわけです。解決するためにはどうすれば良いか。テンションの問題であるので1弦だけテンションをなるべく緩くなるように作るということが挙げられます。
他方で3弦C音はテンションの下限ややギリギリの調弦です。この相反する1弦と3弦が混在しているのがウクレレの調弦です。つまり1弦のためにテンションを下げるべくヘッド角を浅くし過ぎると3弦が下限の限界を超えてビビリます。反対のことも然り。よってヘッド角においては3弦のテンション下限ギリギリのところまで浅くする、11.5度に設定した木工を施します。しかしそれだけではまだ1弦がキュンキュンで特に1弦1フレットから3フレットまでの最も多用するポジションで音の伸びが出ません。大抵は5フレットから10フレットあたりまでが最も良く鳴るのが1弦の特徴です。その常識を覆すためにどうすればよいか。ヘッド角と合わせてネックの仕込みを細工する。あとはナット、サドルで1弦のテンションを下げる。などなどの方法があります。まだ道半ばです。