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自家用機にピックアップ搭載

経験・知識不足を理由にお客さんに対してピックアップ加工は行ってないんです。ですが、数年ぶりにカフェでの演奏の機会がありそうなのでマイソプラノの電化に取り組むことになりました。ピックアップ加工自体が久しぶりすぎてまず手順の確認に手間取るという情けない事態からスタートです。

 

 

 

 

 

 

載せるピックアップ候補はこちらアクティブタイプのLR Baggsのfive-oか8年前にメインウクレレに使っていたパッシブタイプのアンダーサドルp.uの二択。作業に取り掛かる前にこの手の加工のプロフェッショナル数人と連絡を取ってアドバイスを頂きました。「ああするとこうなるから気をつけて」とか「ハンダはあれを使ったらいい」などなど皆様惜しみなく教えてくれました。電気の世界は木工同等に深い沼で、搭載加工を何度かやった程度の僕は完全に素人です。

 

 

 

 

とりあえずアクティブタイプから載せて見ました。アンプで音を出してみての感想は「マイソプラノには合わないな」でした。理由はですね、ボディの中にボタン電池やらボリューム、配線などがドサっと入ることでボディの鳴りが半減したことです。パーツが集中するサウンドホール付近はほとんど鳴らなくなってしまい、ボディ奥の方で鳴っているだけになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

重くなるのはわかっていたけどここまで音痩せしてしまうと楽しさ半減です。そもそも容積の小さなソプラノボディに異物がごっちゃごちゃ入れば鳴り方も変わってしまう。例えると6畳間にソファやらテレビやらあった部屋から引っ越しでガラガラになった時の響き具合ぐらいの差とでも言いますか(わかりにくい)。大きな部屋なら多少の物があっても音の飛び方に変化はないんだろうな、きっと。結論。five-oはコンサート以上で使おうっと。

 

 

 

 

 

 

というわけで第二候補のパッシブ・アンダーサドルp.uになりました。どこのピックアップだかも分かりませんが9年前にマイテナーに載っけていたものを移植しました。パッシブなのでパワーは落ちるけどそこは優秀なD.I(パラアコ)があるから大丈夫。ピックアップのパワーや性能よりもボディ内部空間を極力干渉しないシンプルな仕組みのものが自分的には好みであることが今回わかりました。

 

 

 

 

 

 

 

このアンダーサドルくんを搭載するにあたって最も難儀したのがこの端子。端子そのものの径は2.5φなんですが問題は黒い部分。ここが歪にしてかつ最大幅3.5mmもあるのでブリッジサドル溝に拵えた3ミリの穴に入らない。方策として精密ヤスリで穴を横方向に広げてなんとか押し込みました。

 

 

 

 

 

 

やっと通った端子をジャック側に差し込みます。しかしこのマーク、どこかで見た気がします。シャドウかな…。もうどんな経緯で手に入れたかすら覚えてません。テナーではスッキリクリアにいい塩梅でアンプから鳴っていたので音質は信頼してます。ソプラノとの相性はいかに。

 

 

 

 

 

 

絶縁テープで養生してボディエンドのジャック穴から麻紐をサウンドホールまで引っ張り出します。それをこちらのジャック先端に結びつけて引っ張り出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ググッと引っ張り出します。このジャック穴の径ですが取説にはよく13φで開けてと書いてありますが12でいけます。千枚通しで穴の中心位置を決めて3,6,9,12φと徐々にドリルビットの径を上げて行きます。いきなり12φで行くとウクレレ本体にかかる負荷が大きくなるので面倒でもここは慎重に。

 

 

 

 

 

 

テナー機でもやっていたノイズ対策の処置がこちらです。銅箔テープです。部屋の家電や蛍光灯などから飛んでくる電磁波で「ジー」っと嫌な音、ハムノイズはほんと邪魔ですよね。ノイズを完全に消すことはジャックをずっと手で握るか裸足でD.Iに触れ続けて人体アースをとるなどしないといけないので現実的ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

必要な幅にハサミでカットして油性マジックで黒く塗った銅箔テープでジャック部エンドピンをぐるっと覆う。そこからエンド飾りに沿って表板方向まで伸ばしてボディバインディングの右腕が当たる箇所まで貼リます。右腕は常に腕をまくってテープに触れながら弾かないといけませんがノイズは半減します。ストロークしまくる激し目の曲ならノイズ気にせず腕も触れておく必要もないし。音数の少ないバラード曲などで休符中のノイズがあるのとないのでは大違いです。しっとり目の曲は大抵腕の位置は変わらないので無意識に人体アースも取れます。

 

 

 

 

 

 

これで新生ライブスタイルの完成です。左上が定番D.Iのパラアコ。その下がデジテックのリヴァーブRV-7です。パラアコの正しい使い方はAcoSoundOrgの麻生先生に教えて頂きました。「基本的にパラアコはブーストではなく余計な周波数をカットする目的で使う」です。どの弦を弾いても音質が一定になるように揃える。なのでLOWやMIDも一旦マイナス方向に回してから箱鳴り感が少し出てくるあたりまでプラスに戻す位置で使ってます。ツマミは9時か10時あたりが多いです。ゲインはパッシブタイプのP.Uなので上げ気味の2時あたりに設定してます。直でアンプに繋ぐのとパラアコをかますのでは全く別物です。オープンマイクライブに行く時もマイ設定してあるパラアコを持参してファンタム端子からPAさんに繋げばいつも通りの音で気持ちよく演奏できます。もしお使いでなければぜひお試しください。

 

 

 

 

 

 

 

来年も楽しみです。