牛乳石鹸様

4/9(sun)

午前中は庭の草むしりやら詰まり気味だったキッチンの排水溝を治したり。または使わなくなっていた家裏の自作薪置きを解体したり。ひとしきりの家事を済ませて午後はミニベロで木曽川までポタリングに来ております。
家にいるとついつい仕事しちゃうんですよ。自宅兼仕事場の自営の方なら共感して頂けるかと思います。目の前にやりたい事があるとね、手がするするっと工具に…。だからあえて外に出るんですよね。やっぱりウクレレは背負ってになりますが。

昨日は空五郎さんのライブにお邪魔してきました。初めてうちの娘らに「ライブ」というものを体験させてあげることができました。塾に通う車中で散々聴いている五郎さんの歌が目の前で披露されていることにびっくりしたそうです。8歳の次女はどう鑑賞していいものか分からず私が合いの手を入れたりするとすぐさま腕を掴んで「静かにしなきゃダメだよ」と怒られたり(笑)姉妹が大好きな「流しそうめん」のリクエストにも快く応えて頂き、帰りの車内でまたちゅるちゅるっチュッチュちゅるっと合唱しておりました。

さて今回の記事では鉢巻についてちょっと自論を書いてみようと思います。鉢巻、つまりバインディングはこんな感じで任意の幅に揃えて作ってあります。うちでは大体、幅1.5mm高さ3.5mmでミニ丸鋸を使って切り出しています。ギターだと幅2mm高さ5mm以上になるのでほぼ半分の大きさです。ギターだと鉢巻をどんなサイズ、材質にしてもそんなに音に影響はないんですがウクレレはここがめちゃくちゃ影響してくるんです。最近は鉢巻にセルロイドを使うか木を使うか以前にそもそも何も巻かないのが一番いい音するんじゃないかって思ってるぐらいです。大昔アマチュア時代にギター用の鉢巻をコンサートウクレレに巻いた時はコンコンした硬い音しか出てきませんでした。当時はそれ以前に表も裏も側板も全部厚かったのでそれ以前の話ですが。

そう、ほんと無くていいとすら思っている鉢巻なんですが正面から見たデザイン上で額縁としての意味合いはやっぱりあるんですよね。写真のオハナさんモデルUMシリーズの場合、デザインの主役はもちろんロゼッタのスタビラズドバールです。ボディ外周のパフリングにモノトーンロープで飾っているので派手な虎目のメイプル鉢巻ではなく落ち着いた珈琲色のローズウッドを巻いてます。全体として主役と飾り役がきちんと収まっている印象になっていると思います。なのでやはり額縁としての鉢巻の存在は大きいことは認めざるを得ない。でも音には邪魔。そこで考えに考えて行き着いたのが…

 

これです。

え?石鹸??

 

ある日風呂でこれ見て思いつきました。このエッジだと。

今まで鉢巻は必ず巻くもの、スペックシートにもバインディングはこれこれを使っていますと表記されるものと考えていたのが邪魔していた。こちらとしては無くしたいくらいに思っている。可能な限り削ぎ落として音を硬くさせないようにしつつデザイン上の額縁としての役割さえ果たしてくれるようなスタイル。牛乳石鹸を真横から見た時のエッジの角度、感触。もしもこれが思いっきり角張っているまっさらレクタングルな石鹸だったとしたら脳内で石鹸のイメージがまるで違ったものになっていたことに裸でハッと気がついたんですね(笑)「石鹸痛いな」って。今まで気付かなかった企業努力がこんな些細なところにあったなんて。

巻いたばかりのブロック状態のバインディングを断面で見たらほぼ斜め半分まで削り落とすことで無くすことは無理でも半減させることはできる。言ってみればコンター加工をボディ一周やってしまおうってことですね。コンターはコンター加工という特殊な細工としか考えていなかったからこの発想に中々行き着かなかった。昭和の車のバンパーと同じです。バンパーがバンパーとしてどかっと装着されていたものが今の車はデザインの中に取り込まれてます。ミレニアム世代以降の若者にバンパーって言っても?状態なのと同じです。前職の引越しアルバイト研修でBUMP OF CHICKENのファンのことですかって?って聞き返されたことを思い出します。ウクレレにバインディングは過去のものにしてしまおう。そんな粋なお話でした。実際やってみるとサイドラインに被らないように一周削るのはかなり神経使いましたが(笑)ちょっとでもコンマ3ミリの白線まで削ってしまうとラインの幅がおかしくなっちゃうので気を付けながら刃を進めていきました。

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コメント: 1
  • #1

    坂井 (月曜日, 10 4月 2023 20:23)

    今回の記事はバインディング。ちょいとマニアック過ぎるテーマだったかも知れませんね�でもほんとこのパーツ、音のヌケにとって邪魔なんです…